平成が終わるにあたって

 昭和に生まれながらも、今までの人生の99%以上を平成の世で過ごしてきた人間にとって、それが終わるというのはなかなかに感慨深いものがあります。

 一般に昭和までは高度経済成長とバブルで華やかな時代で、平成は下降期となり時期によっては氷河期だとか空白の何十年だとか言われます。確かにそうかもしれないし、経済成長を実感できた時代が羨ましくないかといわれたら、ちょっとは羨ましく感じます。

 一方でこの平成は、未曾有の大災害やテロ事件など様々な困難がありながらも、何とか立ち直ってきた時代であり、日本においては内外での大きな争いごともなく、穏やかに終わりを迎えられたと思います。

 そしてやはり大きいのは、そのような災害などの苦難があった時に、限りなく民間に影響を与えないように配慮した形で励ましをしてまわってこられた今上天皇のお姿です。人々とともにいるという姿勢の表明もありますが、何よりは、「象徴天皇としてのあり方を模索し、ご自身としての答えを示し続ける」という一貫したお姿に、畏れながらいつも感銘を受けていました。

 今回のご退位も、様々な昨今の社会情勢やご自身の過去のご経験を踏まえた、一つのお答えでしょう。またそれが単なる自己表現ではなく、考えうる限り周囲に慮った結果であるということは、火を見るよりも明らかです。

 そのようなあり方をお示しになった天皇陛下はまさに最後の日まで、日本国民のみならず世界の人々の象徴だったと言っても、過言ではありません。折に触れ、自戒の念を抱かざるを得ません。

 令和になってもこのカリスマ的な天皇陛下のお姿を忘れず、どのようにすれば周りが、あわよくば自分も幸せでいられるかを考え、自分のできる行動をして行ければと思います。そして、いつも感謝の気持ちを忘れずに。

 ありがとう、さようなら、平成。

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